なぜ認知症になれば銀行口座は凍結されるのか?

認知症などにより意思表示ができなくったり、亡くなった後は本人名義の銀行口座は凍結されると聞いたことはないでしょうか?
凍結されれば、預貯金の解約はもちろんのこと、お金を下ろすことさえもできなくなります。

銀行口座凍結の現状

超高齢社会に突入し、認知症を患う方も増えてきています。そして、その認知症の方が保有している金融資産は2030年度には215兆円とも、230兆円とも言われています。
この数字は日本の家計金融資産は2,070兆円と言われていますので、実に約10%もの金額が凍結される可能性があるとのことです。
この金額が凍結され、市場に出回らなければ経済の発展にも影響を与えかねません。

凍結された資産を動かすことができる唯一の制度が成年後見制度です。
令和4年度の成年後見制度の申請件数は約39,000件です。
その申請動機を見ると約36,000件が預貯金の管理・解約によるものです。

なぜ銀行口座は凍結されるのか?

通常、銀行口座を開設する際には、契約者(本人)と銀行で契約を結びます。この契約で預金者は預金債権を銀行に対して持つことになります。預貯金の払戻はこの債権の権利行使という解釈となります。
この権利を行使する意思表示をするので、払戻を受けることができます。
そして
銀行は、口座を開設して、お金を預かると、「預けた人にお金を払い戻さなければならない」という義務が発生します。
預けた人に払い戻すのです。預けた人以外には、例え家族であっても払い戻しをしてはいけないのです。つまり、認知症等により判断能力が低下し、意思表示ができなくなれば払い戻しがなされないのです。
結果として、口座が凍結されるとなります。


また銀行との契約の中には「譲渡禁止特約」という内容があります。
この譲渡禁止特約があるために、預けた人が持っている権利を他の人(例え家族であっても)に譲渡することもできないのです。

ですが、実際は、銀行カードを使って払い戻している人物を監視している訳ではないので、銀行カードと暗証番号があれば払い戻しを受けることができます。

では、どのような時に本人の意思確認が行われるのでしょうか?
銀行によって対応は、異なりますが、
・認知症を発症した本人が銀行に出向き、その際に銀行側が本人の意思能力が低下している事に気づき口座を凍結するケース
・死亡したことを親族等が銀行に伝え口座が凍結されるケース
など、何かしらの切欠で凍結されるケースがあるようです。

凍結されればお金をおろせないのか?

絶対にできないわけではありません。
以下は、一時的な払い戻しができる典型的なパターンです。

・施設入居費用や入院費用
 施設から発行された請求書などを添付して申請をすれば、払い戻しに応えてくれる金融機関は増えています。

・亡くなった後の凍結の払い戻し
 葬儀費用等の出費であれば、各相続人が申請すれば150万円を上限に払い戻しができます。
本当にお困りの時は各金融機関に相談をされてみてもいいかと思います。

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